俺は33歳、独身で営業をしているサラリーマンだ。 自分ではSっけが強くて女が好きだとばかり思っていた。 それがあんなことを体験するとは。
その日は普段は廻らない地区で営業をかけ、それが思わぬほど好調で、すっかりノルマを果たして昼過ぎには時間が空いてしまっていた。 既にやる気はなしで、後は会社に戻るだけ。 しかし、会社に帰ると雑用を押しつけられるのは目に見えていた。 どこで時間をつぶそうかと、その地区をぶらぶらしていると、地下に500円の安いポルノ映画館があるのを見つけた。 ここしばらく、女っ気もなかったし、ポルノでも見て今晩のおかずにするか、とその映画館に入ったのが、間違いだったのかも知れない。
映画館は50人も座ればいっぱいの小さなハコで、昼間だと言うのに結構人が見受けられた。暗がりの中透かし見ると、後ろの方では立ち見の人間までいる。 何故か座席の一番前の列は空いていたので、俺は鞄を押本に置いて、最前列の真ん中に腰を下ろした。 しばらく映画を鑑賞する。古いつまらないポルノだった。 これでは欲情できるはずもなく、俺は次第に眠りに引き込まれていった。 ――ふと、目を覚ます。股間が、疼くように甘く痺れていた。 「……ん」 寝ぼけ眼で見ると、隣の席に座っている50歳くらいの男が俺のスラックスの上から、爪でなぞるように俺のちんぼを触っていた。 俺のちんぽはすでにカチカチに勃っていて、男がなぞる度に、信じられないような甘い疼きが襲ってくる。 竿を下から上に、爪を立てるように軽くなぞったかと思うと、かりのの裏をつまむように揉みしだく。 (なんで!? 男に触られてる? うわっ、気持ちいいっ!)
俺は男に触られているという、異常な状況にパニックを起こしていたが、今まで経験したどんな女よりも、俺の下半身は男の愛撫に感じていた。 俺はそんな自分が信じられなかったが、下半身は正直で、すでに先走りがトランクスを濡らしているのを感じていた。 俺が目を覚ましたのに気がついた男は、ニヤリと笑い、一層巧妙な愛撫をほどこしてきた。 「……んっ!」 「兄ちゃん、感じてるんだろ? 男に触られるのは初めてかい?」 小さな声で囁く男。俺が無言で首を縦に振ると、男は嬉しそうに笑った。 「そっか。じゃあもっともっと気持ちよくしてやるからな」 男は懐から何か小さなビンを取り出すと、それを俺の鼻の下に持ってきた。 「ほら、これ嗅いでみ? 大丈夫、危ない薬じゃないから」 シンナーのような臭い。 俺は言われるままに、ビンを鼻の下に当てられたまま深呼吸した。 その途端。 カッ! っと頭の中が熱くなり、意識がもうろうとしてきた。 カチリ、と音を立てて自分の中の掛けがねが外れた感じ。 「あ……あぁっ!」 男の愛撫に合わせて、思わず声が出る。 これじゃ、俺、まるで女みたいだ……。 思いながらも勝手に口をついて出る声は止まらない。 男は俺のスラックスの前を開け、直接チンボを触っていた。 「もうヌルヌルじゃないか? お兄ちゃん淫乱だな」 「そ、そんな……」 「ほら、見てみ? まわりの人がみんなお兄ちゃんのこと見てるよ?」 言いざま、男はチャックから俺のチンポを取り出した。 映画の光に照らされて、俺の先から出ている粘液が糸を引いているのが見える。 「見られてこんなに感じるなんて、お前、露出狂のマゾなんだよ」 決めつけるように言う男。 普段なら反発を覚えるような台詞だが、その時はその台詞が真実のように感じられた。
チンボからは先走りが止め処なく溢れ、男が扱く度にヌチャヌチャといやらしい音がしている。 「ほら、もっとみんなに見てもらえ」 男は小声で囁きながら、俺のズボンとトランクスに手をかけた。 「え? だ、ダメです……よ」 男に扱かれながら、抗う俺。 すると男はチンポを扱いていた手を一瞬凄い早さで動かした。 「あ……ああ……そんなにしたら……い。イクッ!」 絶頂に達しそうになり、思わず腰に力が入る。 ――と、男は扱く手を止め、亀頭をヌルヌルと親指でいじりはじめる。 イク寸前で止められ、その上亀頭を嬲られている俺はもう何も考えることが出来なかった。 イかせて欲しい。精液をドピュドピュ出したい。 そのことだけで頭の中が一杯になる。 「素直になったらイかせてやるよ」 俺にはもう逆らう気力は残っていなかった。 するりと、スラックスとトランクスを足首まで下ろされてしまう。 下半身を完全に露出して、たまらないほど恥ずかしいのに俺のチンボはカチカチに勃ったままだった。
シャツの前もはだけられ、乳首をつねられた。 「乳首、カチカチに勃起してるじゃねぇか。淫乱だな」 いつの間にか、反対側に座ってきた違う男も俺の乳首を触ってきた。 後ろに座っている男が、自分の指をまるでフェラさせるみたいに、俺の口につっこむ。 「ん……む……」 うめく俺を見ながら、最初に俺に触ってきた男が言った。 「ほら、嬲られるは気持ちいいだろ? もうお兄ちゃん、やめられなくなるぜ?」 男の言葉通り、俺は今まで体験したこともないような淫らな快楽のまっただ中にいた。
もう何も考えられない。 「ほら、自分で足広げろ。おまんこ見てやるよ」 「え?」 「両足広げて、自分の手で広げろよ」 男達の言うとおり、自分の足を自分で持って、セックスをねだる女のようにアナルを広げる。 「へっヒクヒクしてるぜ。ほら、かわいがってやるよ」 ぬるりと冷たい感触がアナルに触れる。 「初めてなのか? きっつい穴だな」 後ろに、ゆっくりと堅い物が入ってくる。 「あ……ふぁ……」 「ほら、気持ちいいんだろ。自分で乳首触ってみな」 「……は、はい……ああっ!」 言われるままに自分で乳首をつまみ、ヌルヌルのチンボを扱く。 男の一人がローションを取り出し、チンボを扱かれながら、アナルに入った指の動きが激しくなる。 信じられない位堅くなったチンボからは、とめどなくイヤらしい汁が溢れる。 いつの間にか集まって、俺を囲んでいる男たちの前で俺は……。 「あ……お尻……熱い……イク……イっちゃう!」 「ほら、イけよ、大声でイけ、この淫乱野郎!」 俺は男に扱かれ自分の顔にかかるほど精液を吹き上げた。 脈動はいつまでもおさまらず、俺は全身を痙攣させつづけた。 ……俺がたっすると、男達は俺に服を着せ、席を離れていった。 「お兄ちゃん、もう男しか感じないぜ?」 最後に言った男の言葉を聞きながら、俺はそそくさと映画館を後にした。
あれから風俗にいって女を抱いてみたが、あの時ほどの快楽は得られない。 また、あの映画館の暗がりに…… めちゃめちゃにされに行ってしまいそうな自分を必死で押しとどめる今日この頃だ。
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